これまでの説教

日本基督教団幕張教会 早乙女哲自牧師

2018年4月15日「耐え忍ぶ」(マルコによる福音書13章1~13節)

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 今日から講解説教に戻ります。この13章は、ヨハネの黙示録に対して、小黙示録と呼ばれています。全体で一纏まりなのですが、今日はその最初の所です。まず主イエスは、今まで論争し教えてきた神殿の境内を出て行かれます。そのとき、弟子の一人が言います、「先生…」。主イエスは答えて言われます。2節。これは大変なことです。私達は既に第二次ユダヤ独立戦争を知っていますから、それが世の終りでも何でもないことを知っています。しかし弟子たちは、主イエスが世の終わりを語っていると感じたことでしょう。3・4節。オリーブ山は、エルサレムの向いの山で、エルサレム全体を見渡せる位置にあります。四人の弟子たち(最初からの弟子たち)は、先程の主イエスの預言の言葉の意味・時期・徴を知りたくて、尋ねます。それに対して主イエスが語られる言葉が、この章の終りまで続きます。まず主イエスが仰るのは、色々なことが起こるけれども、まだ世の終わりではない、ということです。5~7節。主イエスはこの箇所で、一貫して「気をつけなさい」と弟子たちを諭します。気をつけなければならないような現実が起こる。まず、主イエスの名を名乗る偽キリストが現れる、また戦争が起こる。でもそれは世の終わりではない。更に、8節。戦争だけではなくて、飢饉や地震も起こる。でもそれは、産みの苦しみの始まりであって、まだ世の終わりではない。9~11節。様々な天災や人災だけではなくて、弟子たち自身が世の権力者の前で語らなければならなくなる。でも、聖霊が語るので心配はいりません。更に、そういう出来事も全て、福音があらゆる民、全世界に宣べ伝えられていくために用いられます。弟子たち・私達は、様々なこの世界の出来事に惑わされないで、自分自身のことに気をつけます。なぜならば、大切なことは、何が起ころうが私達がしっかりと信仰に立って生きることだからです。最後、12・13節。この福音書が書かれた頃、既にネロの迫害をはじめ、様々な仕方で、教会は迫害を受けていました。だからこそ、「耐え忍ぶ」こと、しっかりと立ち続けることが必要です。