これまでの説教

日本基督教団幕張教会 早乙女哲自牧師

2018年4月22日「気をつけていなさい」(マルコによる福音書13章14~27節)

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 前回から講解説教に戻りまして、主イエスと弟子たちとは神殿の境内から出て行かれます。そのとき、神殿に対する弟子の一人の驚嘆の言葉に応えて、主イエスは神殿の崩壊を予告しました。その主イエスの言葉をきっかけにして、このマルコ福音書で最も長い主イエスの言葉が語られます。前回は、その最初の部分として、「最後まで耐え忍ぶ者は救われる」。今日はその続きとして終末の出来事が語られます。しかも、23節。一部分ではない、必要な全てのことが語られます。まず、14節の「憎むべき破壊者が建ってはならない所に立つ」とは一体何でしょうか。既に起こっていたこと、あるいは皇帝カリグラのこと、つまり神殿に神を信じないで神を自称する者が立つことが、歴史的には想定されます。しかしそれ以上に、このときこれから起きようとしていること、主イエスの十字架の出来事を思うことができます。さらにそれは、21・22節。十字架の出来事だけではなくて、それ以降も偽物が現れる。神様が縮めては下さるものの、今までにない苦難が来る。19節。しかし私達は希望をもって、この大きな苦難の時を待っていてよいのです。なぜならば、このような苦難の後には、人の子、主イエス・キリストが来られます。24~27節。地上での様々な災厄だけではなくて、天体の全てを揺り動かすほどの出来事が起こります。でもそこで、わたしたちは人の子が大いなる力と栄光を帯びて雲に乗って来るのを見ます。私達信じる者だけではなくて、全ての者が見ます。終末の預言などと申しますと、恐ろしいイメージがつきものですが、私達は主を信じる時に、人間的な恐れでもって終末を迎えるのではなくて、喜びをもってそのときを思い描くことができます。ただ一つ、私達がこの希望にしっかりと立つことを邪魔して惑わそうとするものに気をつけていることが大切です。この最後の丁寧な主の言葉から学んで、気をつけて生きましょう。