これまでの説教

日本基督教団幕張教会 早乙女哲自牧師

2018年4月29日「滅びない言葉と共に生きる」(マルコによる福音書13章28~31節)

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 13章全体で一塊ですが、幾つかに分けて読んでいます。今日の箇所は、最後から二つ目です。まず、いちじくの木から教えを学びなさい。28節。イスラエルは気候として春がとても短い。だから冬の終わりには、既に夏の兆しがあります。枝が柔らかくなり葉が伸びる。この幕張辺りでもかなり自然が失われていますが、それでもそこここに緑があって、季節の移ろいが分かります。29節。しかしこれは無理があるのではないでしょうか。私達は毎年季節の移ろいを見て感じて、経験を積んで季節を読むことを学びます。しかし人の子が戸口に近づいている、この世界の最後の時が近づいていることは、ただ一度限りのことであって、誰も経験していないことであり、経験から学ぶことはできません。では主イエスは何を教えておられるのでしょうか。そもそも「これらのこと」とは何でしょう。今まで語ってきたような、戦争、地震、飢饉、憎むべき破壊者、偽メシアなど、様々な苦難・惑わしがあったらということでしょう。そしてそれは、主イエスの十字架と復活の後、繰り返し起こってきています。だから主イエスは、(次回の「目を覚ましていなさい」に繋がるのですが、)いつでも主イエスが戸口に近づいている、主は近いということを知っていなさい、ということです。確かに今、信じる者には、主イエスが(目には見えなくても)近くにおられて、助けて下さいます。更に、戸口に近づいているという真剣な信仰の思いにおいて(いついつと予言して惑わすのは論外ですが)、私達は今生き生きと生きます。そのような文脈で、主イエスは、大切なことを語るときのいつもの決まり文句、「はっきり言っておく」を伴って仰います。30・31節。終末が近いという信仰の緊張感と共に大切なことは、「これらのことがみな起こるまではこの時代は決して滅びない」ことを知っていることです。そして、天地が滅びても、主イエスの言葉は滅びないし、この言葉と共に生きる私達も滅びに終わることは決してありません。