これまでの説教

日本基督教団幕張教会 早乙女哲自牧師

2018年7月1日「キリストの愛の心で」(フィリピ1章1~11節①)

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 今日からフィリピの信徒への手紙の講解説教です。最初に確認しておきたい三つのことを申します。まず第一に、この手紙は獄中書簡です。第二に(それにも係わらず)喜びの書簡でもあります(今日の箇所でも4節のように語ります)。なぜパウロは獄中にありながら(既に刑が確定している囚人ではなくて、未決囚のようですが)、パウロ自身が喜び、またフィリピの教会の信徒たちに喜ぶように勧めているのか、これからみていくことになります。第三に、他の諸教会と異なり、パウロはこのフィリピの教会からだけは、財政的支援を受けていました。それほどに親しい教会です。3~6節。このように、パウロはこの教会に絶大な信頼を寄せていました。ですから最初の挨拶でも、「使徒的権威」を書きません。1・2節。
 3節から11節までは、一固まりの文章なので、今日11節までまとめて読みましたが、今日は主に8節まで、次回に9節からのパウロの祈りをみます。7節。パウロの絶大な信頼は、フィリピの教会の人々が、いついかなる時でも、「共に恵みにあずかる者」と思い、心に留めているからです。誰も知り合いがいないような国・地域に行っても信仰を同じくする友がいて交わりがもてることは喜ばしいことです。ましてパウロは、自分たちが開拓伝道した教会であり、一人ひとりをよく知っているのですから、心に留め思い起こして祈るだけで喜びに満たされます。パウロは自分がどれほど彼らを愛しているか、「キリスト・イエスの愛の心で」という強い表現で語ります。8節。神を証人として語ります。「キリストの愛の心」とはどういうことでしょう。それは、相手のために十字架に死ぬことさえも厭わない愛です。