これまでの説教

日本基督教団幕張教会 早乙女哲自牧師

2019年5月12日「昇天」(マルコによる福音書16章19・20節)

 今日でそれなりに長かったマルコによる福音書の講解説教も最終回です。来週からはマタイです。今日の箇所は、福音書に描かれてきたような出来事の後で、主イエスが昇天なさった記事と、弟子たちの世界宣教の記事です。19節。まず、「昇天」と「召天」の違いを述べておきましょう。そして、実は主イエスの昇天に関しては、その時期がどうであったのかが議論されています。教会の暦では、復活から40日経って、昇天なさった(使徒言行録1章の記事による)のですが、福音書の記事は復活の後それほど時間が経っていない印象を受けます(これは続編として使徒言行録を書いたルカでさえそうです)。いずれにせよ、私たちが使徒信条で毎週告白しておりますように、神の右の座に着かれました。これは「天」とは何か・どこかという問題とも関係しますが、神の権能を与えられていることの象徴でしょう。更に、主イエスご自身が裁判の時に仰った言葉(14章62節)とも一致しています。そしてそれは、主が共に働いていて下さることと矛盾しません(人間的にみると矛盾するかのようですが)。20節以下。信じなかった弟子たちが、いまや世界に出て行きます、福音を宣べ伝えるために。私たちもまた、その最後に連なる者たちとして、主のご委託に応えていきましょう。