これまでの説教

日本基督教団幕張教会 早乙女哲自牧師

2021年8月1日「平和を保って」(使徒言行録9章26~31節)

 今日は日本基督教団では、平和聖日です。今日は、マタイの講解説教をお休みして、聖書日課です。今日の聖書箇所は、サウロ(後のパウロ)の回心の記事と同じ章です。尤もパウロは回心の後で、ダマスコ伝道をしています。ここに「かなりの日数がたって」(23節)とありますから、恐らく数年がたっています。そしてユダヤ人たちに殺されそうになって逃げ出します。こうしてサウロは、エルサレムに来ます。
 この、サウロがキリスト者になってからの最初のエルサレム訪問については、パウロ自身がガラテヤの信徒への手紙に書いています。読み比べて頂けば、細かい点で様々な違いがあることは分かると思います。何とか整合性を保とうとする努力や、実際の出来事としてどうだったのかを推測する努力もあります。しかし今日は、この使徒言行録の記事の通りであったという前提で話をしましょう。
 最初に、26~28節です。エルサレムの信徒たちは、すぐにはサウロを信用しません。恐らく、キリスト者を迫害するために、スパイのように内部に入り込んで実態を調査しようとしているのだと誤解したのでしょう。両者を取り結んだのは、慰めの子と呼ばれるバルナバです。対立する両者を和解させる、平和をもたらすためには、両者の間を取り結ぶ人が必要です。ギリシア語を話すユダヤ人たちのゆえに、サウロはエルサレムをたちます(29・30節)。
 その結果はどうなったのでしょうか。31節です。平和を保ちます。その礎は、主を畏れることです。教会の人々がサウロを畏れている内は、平和は来ません。いや逆に、主を畏れるときに、私達は人間的な何者も恐れなくなります。そこでは、私達は聖霊の慰めを受けます。そして、教会は基礎が固まって発展し、信者の数が増えていきます。これは現代においても同じです。私達は、主のみを畏れ、平和を保ちましょう。