これまでの説教

日本基督教団幕張教会 早乙女哲自牧師

2017年6月4日「教会が生まれる」使徒言行録2章1~11節

 今日は、講解説教を一回お休みし、ペンテコステによく読まれる箇所です。使徒言行録は、ルカの続編で、聖霊を授けられる約束と主イエスの昇天からはじまり、1章の後半では裏切り者のユダの代わりにマティアを選出します。弟子たちは、昇天から後、十日間、主イエスが既に父なる神のもとに戻られておられない中、祈りつつ、主の約束された聖霊を待っていました。そして五旬祭(復活祭からちょうど50日)の日、集まっていると、聖霊が降りました。1~4節。はじめに音、そして目に見える仕方で聖霊が降ります。
 当時エルサレムには、様々な国々から敬虔なディアスポラのユダヤ人が来て、住んでいました。自分たちの故郷の言葉で、福音・神の言葉が語られるのを聞いて驚きます。この後、ペトロの説教があって、41・42節。教会が生まれます。
 今日は、特に三つのことを申し上げましょう。まず第一に、教会は、人の業ではなくて、神の業です。弟子たちは、四十日間復活の主イエスと共にありましたが、それだけでは、教会は生まれません。主イエスの約束された聖霊が降ってはじめて、力強く、神の言葉が語られます。第二に、復活・昇天・聖霊降臨は、三つのことでありつつ(ルカがこのように描いたことが現在の教会歴のもとになっています)、一つだということです。神の灯火である主イエスを私達人間の罪は十字架で消しました。しかし神はこの主イエスを復活させて、今度は消えない灯火としました。主イエスは昇天によって神と共におり、聖霊降臨によって、約束通り、世の終わりまで私達と共にいて、喜びの知らせを語り続けて下さいます。更に第三に、私達教会の誕生はこのペンテコステに遡ります。それぞれの各個教会は、千年なり、百年なり、四十年なり、それぞれの教会としての歩みをしてきました。しかしどの教会も主の教会である限り、この聖霊降臨の日からはじまっています。