これまでの説教

日本基督教団幕張教会 早乙女哲自牧師

2022-01-01から1年間の記事一覧

2022年12月25日「固執しないで」(フィリピの信徒への手紙2章1~13節)

クリスマスおめでとうございます。 今年の聖書箇所は、とても有名なフィリピの2章です。キリスト・イエスが、神と等しい者であることに固執しないで、かえって自分を無にして、人間と同じ者になられました(6・7節前半です)。このキリストの姿を模範とし…

2022年12月18日「エッサイの根」(イザヤ書11章1~10節)

今日も聖書日課で聖書箇所を選びましたので、久しぶりに旧約聖書です。今日の箇所は、イザヤ書の中でも最もよく読まれる聖書箇所の一つです。ダビデの父、エッサイの子孫から王、救い主が現れるという預言です。1・2節です。この言葉を私達キリスト教会は…

2022年12月11日「いつも喜んでいなさい」(テサロニケの信徒への手紙一5章16~24節)

2016年頃にこの手紙の講解説教をしています。そのときは、まず平和聖日に平和という視点からこの箇所を読みました。さらに、三回にわたって、丁寧にこの箇所を読み解きました。しかし今日は丁寧に読む時間的な余裕はありません。待降節に指定された聖書…

2022年12月4日「今日、実現した」(ルカ4章14~21節エフェソの信徒への手紙5章~21節)

今日の聖書箇所は、主イエスが洗礼を受けられ、誘惑を受け、ガリラヤで伝道をはじめられたところです。14・15節です。それから主イエスはお育ちになられたナザレに行きます。16節です。当時の礼拝は、私達の礼拝と異なりまして、参加者が聖書を朗読し…

2022年11月27日「忍耐して待つ」(ヤコブの手紙5章7~11節)

今日は、後ほど聖餐式がありますように、アドベント・待降節第一主日です。講解説教をしばらくお休みしまして、今日から聖書日課の聖書箇所に聴きます。アドベントに私達がすべきことの一つは、「待ち望む」ことを学び直すことです。アドベントはクリスマス…

2022年11月20日「妻と夫」(エフェソの信徒への手紙5章21~33節)

5章に入りまして、今日で5回目です。前回は21節だけを取り上げて、仕え合うことの大切さをみました。実はこの21節は、20節までの纏まりの最後に位置づけるか、22節以降の文章の最初に置くべきか、議論の分かれているところです。どちらの読み方も…

2022年11月13日「互いに仕えなさい」(エフェソの信徒への手紙5章~21節)

5章に入りまして、今日で4回目です。1回目は、愛によって歩むことでした。2回目は「光の子として歩む」ことでした。そして3回目、先週は、神に感謝して生きることでした。こうして、一連の勧告が終りました。次回から6章にかけて、妻と夫、子と親、奴…

2022年11月6日「神への感謝に生きる」(エフェソの信徒への手紙5章15~20節)

5章に入りまして、前々回は、愛によって歩むことでした。前回は「光の子として歩む」ことでした。そして今日の箇所で、神に感謝して生きることです。こうして、一連の勧告が終ります。次回から6章にかけて、妻と夫、子と親、奴隷と主人という仕方で、もっ…

2022年10月30日「光の子として歩む」(エフェソの信徒への手紙6章6~14節)

前回は、神に倣う者となりなさい、でした。それは、愛によって歩むことです。この文脈の中に、今日の聖書箇所の「光の子として歩む」ことも入っています。それが語られているのは、8節です。まずこの手紙の著者は、あなたがたは光となっている、と、宣言し…

2022年10月23日「神に倣う者となれ」(エフェソの信徒への手紙6章1~5節)

h 今日の聖書箇所のテーマは、神に倣う者となりなさい、です。この「倣う」ということで私達がまず思い出すのは、イミタチオ・クリスティ(キリストに倣う)という書物・標語です。多くのキリスト者に多大な影響を与えたこの言葉について、今日は考察する暇…

2022年10月16日「赦し合う生き方」(エフェソの信徒への手紙4章25~32節)

前々回、愛によって、ということが語られました。前回は、「心の底から新たに」されることでした。今日の箇所では、それに基づいて、キリスト者同士の隣人との係わりについて語られています。 それは何よりもまず、真理を語ることです。25節です。真実です…

2022年10月9日「心の底から新たにされて」(エフェソの信徒への手紙4章17~24節)

今日の聖書箇所から強いはっきりとした勧告がはじまります。まず17節前半です。今まで述べてきたこととは無関係に突然勧告がはじまるのではなくて、今までのことを基礎として勧告がなされます。ここでも、異邦人とキリスト者が対比されて描かれています。…

2022年10月2日「愛によって」(エフェソの信徒への手紙4章14~16節)

今日の聖書箇所では、最初の14節と後半の15・16節が対比されています。前々回に、主の招きに相応しく歩むことの大切さが語られ、前回はそれがどのようであるかが描かれていました。今日はその続きで、まず主の招きに相応しく歩まない者、成長しない者…

2022年9月25日「私達の成長(エフェソの信徒への手紙4章7~13節)

前回、神の招きに相応しく歩むことが述べられていました。それは、高ぶらない、柔和、寛容、愛による忍耐、一致などでした。お招きになられるのは神ですから、その神が無責任に招くだけ招いておいて後はほったらかしにするなどとは考えられません。神の招き…

2022年9月18日「神の招きに相応しいとは」(エフェソの信徒への手紙4章1~6節)

前回で、この手紙の第一部は終りました。4章から第二部です。第二部の最初に述べられていることは、神の招きに相応しく歩むことです。 1節です。まず勧めるパウロは、自分が主に結ばれて囚人となっていると述べます。この囚人というのは、パウロは事実様々…

2022年9月11日「広さ、長さ、高さ、深さ」(エフェソの信徒への手紙3章14~21節)

3章の1節からはじまった祈りの言葉は、長い中断・挿入を経て、今日の箇所で祈りの言葉になります。そして最後、神への頌栄の言葉で、この手紙の第一部は終ります。20・21節です。「栄光が世々限りなくありますように」の対象である神がどのような方で…

2022年9月4日「目の中の丸太って何?」(ルカによる福音書6章37~42節・八木かおり)

本日の物語の語りだしは「人を裁くな」です。しかし、これはわたしたちの現在に、そのままの言葉として一般化していいものではありません。イエスにおいて、それからルカにおいてのそれぞれの状況を捉える必要があります。イエスが「人を裁くな」という時、…

2022年8月28日「この苦難は栄光」(エフェソの信徒への手紙1章1~5節)

前回申し上げましたように、1節は14節に繋がるのであって、2節から13節は挿入部分です。今日は挿入部分の後半です。まず7節です。前回語られたような神の力によって、パウロは恵みを賜り、福音に仕える者になりました。その際のパウロの自覚が次の8…

2022年8月21日「同じ約束にあずかる」(エフェソの信徒への手紙3章1~6節)

今日の聖書箇所は、実は大分先まで繋がっています。まず1節です。わたしパウロは、と、語って、その続きは恐らくは14節で、祈ります、です。そして1節の内容から、2節以降が挿入されていきます。パウロは、自分が異邦人のために特別に召し出されている…

2022年8月14日「神の住まい」(エフェソの信徒への手紙2章11~22節)

前回は平和聖日でした。そして「キリストは私達の平和」ということに集中しました。私達の間に平和があるだけではなくて、私達は神の平和の福音を携えていく、平和を実現していくのです。 それだから、私達教会は、聖なる神殿となっていきます。19~21節…

2022年8月7日「私達の平和」(エフェソの信徒への手紙2章11~22節)

今日は平和聖日です。そして今日の聖書箇所は、キリストが私達の平和であると語っています。次回も同じ聖書箇所ですので、全体的な話は次回にします。今日は、「キリストは私達の平和」ということに集中します。 この「平和」には、狭い意味と広い意味の二つ…

2022年7月31日「善い業を行って歩む」(エフェソの信徒への手紙2章1~10節)

エフェソの信徒への手紙講解説教は、今日で三回目です。今日の箇所では、信仰に入る以前と今とを比べています。まず、以前のことが語られています。1~3節です。「空中に勢力を持つもの」という古代的な表象が用いられています。しかしそれは、「この世を…

2022年7月23日「教会は満ちておられる場」(エフェソの信徒への手紙1章15~23節)

前回からエフェソの信徒への手紙の講解説教に入りました。しかし一説には前回の箇所は付加部分であって、実際の手紙としては、最初の挨拶の後、今日の箇所になるのだという仮説もあります。実際、今日の箇所の大部分はパウロの祈り(の中身)であって、そこ…

2022年7月17日「時が満ちるに及んで」(エフェソの信徒への手紙1章1~14節)

今日からエフェソの信徒への手紙の講解説教です。この手紙は確実にパウロが書いたと考えられている7つの手紙(ローマ、コリント一・二、ガラテヤ、フィリピ、フィレモン、テサロニケ一)に入っていません。パウロの真正の手紙かどうか分かりません。その上…

2022年7月10日「自分の手で」(ガラテヤの信徒への手紙6章11~18節)

今日はいよいよガラテヤの信徒への手紙、最終回です。最後パウロは、今までの口述筆記をやめて、自分の手で書きます。11節です。全て口述筆記でもよかったでしょう。しかしパウロはこの厳しい手紙の最後に、自分の手で今一度、大切なことを書きます。12…

2022年7月3日「善を行おう」(ガラテヤの信徒への手紙6章6~10節)

前回は、重荷を担うことがテーマでした。今日はその続きとして、「善を行う」ことが語られています。しかもこの短い箇所で、二回も(8・9節)勧められています。この短いガラテヤの信徒への手紙の終り近くにあたって、パウロは勧めるべき幾つかのことを畳…

2022年6月26日「自分の重荷を担って」(ガラテヤの信徒への手紙6章1~5節)

前回は、霊の導きに従って歩むこと、そのようにして前進することが勧められていました。今日の箇所では、それが具体的にどのようなものになるのかが、示されています。まず、1節です。正しい道に立ち返らせる、これはかなり難しいことではないでしょうか。…

2022年6月19日「霊の結ぶ実(ガラテヤの信徒への手紙5章22~26節)

< p>=0 前回の箇所では、肉の業として、姦淫、わいせつ…(19~21節)が挙げられていました。今日の箇所では、対照的に正反対の霊の結ぶ実が語られています。22・23節です。一つひとつ取り上げる必要はないでしょう。よく分かるものです。そして大切…

2022年6月12日「互いに仕えなさい」(ガラテヤの信徒への手紙5章7~15節)

今日は先週のペンテコステ・聖霊降臨日と聖書箇所を逆にしています。前々回(すぐ前の箇所)では、愛の実践を伴う信仰こそ大切だと語られていました。その流れで、愛によって互いに仕えなさい、と、勧められています。 まずパウロは、ガラテヤの人々が今まで…

2022年6月5日「霊の導きに従って歩め」(ガラテヤの信徒への手紙5章16~21節)

ペンテコステ、おめでとうございます。ペンテコステは、聖霊降臨日ですが、別名、教会の誕生日とも言われています。この日から、教会がはじまったからです(使徒言行録2章を参照)。 今日は順番通ですと、直前の箇所、7~15節なのですけれども、聖霊降臨…