これまでの説教

日本基督教団幕張教会 早乙女哲自牧師

2022年10月9日「心の底から新たにされて」(エフェソの信徒への手紙4章17~24節)

 今日の聖書箇所から強いはっきりとした勧告がはじまります。まず17節前半です。今まで述べてきたこととは無関係に突然勧告がはじまるのではなくて、今までのことを基礎として勧告がなされます。ここでも、異邦人とキリスト者が対比されて描かれています。まず異邦人の様子です。17節後半~19節です。キリスト者でなくても立派な方々は大勢おられるので、これは言い過ぎではないかと思わないでもないのですが、キリスト者でない方々の基本的な姿はこう語らざるをえないのでしょう。例えば、旧約聖書の大切な言葉の一つに「神を知ることは知恵のはじめ」というものがあります。ですから、神を知らないということは、知性が暗くなる、無知と心のかたくなさによって、神の命から遠く離れています。
 それとは対照的に、20・21節です。真理がイエスの内にある通りに学びました。だから、このような真理に基づいて生きることができます。
 22節から強い勧告がはじまります。22~24節です。22節で、古い人を脱ぎ捨てること、23節で、心の底から新たにされること、24節で、総合的にどういう生き方を志すのかが語られています。まず22節で注目すべきことは、滅びに向かっているという表現でしょう。かつては、伝道の大切さを語る時に、もしもキリスト者にならなければ(信仰を持たなければ)神の国に行くことができない、地獄へ落ちる、滅びに至るという言い方がありました。今は、一部の福音派などを除いて、一般的な福音主義プロテスタント)教会では、そういう言い方はしません。私達は神の主権、救いに対するイニシアティブを大切にするからです。それでもやはり、心の底から新たにされることは重要です。私達は無理な努力によってではなくて、心の底から新たにされて、新しい人ととして、真理に基づいた正しく清い生活を形作るのです。