これまでの説教

日本基督教団幕張教会 早乙女哲自牧師

2022年6月12日「互いに仕えなさい」(ガラテヤの信徒への手紙5章7~15節)

 今日は先週のペンテコステ聖霊降臨日と聖書箇所を逆にしています。前々回(すぐ前の箇所)では、愛の実践を伴う信仰こそ大切だと語られていました。その流れで、愛によって互いに仕えなさい、と、勧められています。
 まずパウロは、ガラテヤの人々が今までよく走ってきたとほめ、しかしまた現在の危機を鋭く指摘します。7節です。たたみかけるようにパウロは述べます。8~10節です。まず真理(キリストのみ、福音のみで十分だということ)に 従わないように誘うのは、決して神・キリストからのものではないと指摘します。そしてわずかなパン種が練り粉全体を膨らませる(今回は明らかに悪い例えとして用いられています)ように、真理にほんの少し付け加えているようにみえても、実は全体を台無しにします。パウロは彼らへの信頼と共に、惑わす者への裁きを語ります。
 次に11節で、パウロは、自分がユダヤ人から今もなお迫害されていることを論拠に、真理からはずれていない(律法と割礼を勧めることはない)ことを主張します。11・12節です。12節は、かなり激しい非難です。パウロが、キリスト・福音を大切にするあまり、こんな厳しい言葉になったのでしょう。
 最後は、13~15節の勧めです。私達は、自由を得るために召し出されました。しかしこの自由は、(5章のはじめでも議論しましたように)ある主の難しさをもっています。すなわち、一歩間違うと、自分の我が儘に仕えるものになってしまいます。だからこそ、パウロは丁寧に「愛によって互いに仕える」ことを勧めます。主イエスが繰り返し語られたように、律法全体は隣人愛に集約します。さあ私達も新しい一週間、愛によって互いに仕えるべく、努力しましょう。これこそが、私達の自由を最もよく用いる仕方なのですから。