これまでの説教

日本基督教団幕張教会 早乙女哲自牧師

2022年2月20日「福音の真理が」(ガラテヤの信徒への手紙2章1~10節)

 今日の聖書箇所は、前回の出来事から、14年経っています。1節です。パウロは、バルナバと共にテトスも連れて行きました。ただしそれは、エルサレムから呼び出されて出頭したのではありません。2節です。この「啓示」が具体的に何を指すのかは、分かりません。「無駄に…」の中身は、パウロに敵対する者たちがいうように、割礼が必要だという可能性を示唆しているのではありません。ただ、エルサレムの初代教会とパウロたちの異邦人教会とが全く別の道を歩むことになると、異邦人教会は、神の民を離れた根無し草になってしまう、そのことを用心したのです。
 彼らはパウロたちを非難するどころか、何の強制もしません。3~6節です。偽の兄弟たちのことなど、語るべきことは幾つかありますが、今日は省きます。ただ彼らがテトスに割礼を強制しなかったことは、異邦人の福音のあり方を認めたことになります。それは、福音の真理(5節)がゆがめられないためです。福音は、割礼や律法によるのではありません。ただキリストの福音によります。パウロが何よりも大切にしていたこのことが、認められます。
 彼らは、強制しないばかりか、ペトロたちユダヤキリスト者の教会と異邦人教会の並立と連帯を認めます。7~9節です。この握手は、両方の教会が普段別々の歩みをしていても、一つのキリストの教会であることを示しています。そして両方の教会の交わり・連帯のしるしとして、貧しい者たち(エルサレム教会の人々)のための献金があります。10節です。
 代々の教会は、パウロをはじめ、多くの方々が、福音をねじ曲げようとする力と戦って、教会を成り立たせてきました。私達も、何が守り抜かなければならないもので、何が寛容に受け入れてよいものか、判断する力を神様に願い求めましょう。