これまでの説教

日本基督教団幕張教会 早乙女哲自牧師

2022年2月13日「パウロのことで」(ガラテヤの信徒への手紙1章18~24節)

 今日の聖書箇所は、前回申し上げましたように、前回の箇所と一纏まりです。パウロの改心後のことが描かれています。11・12節の言葉を裏付けるようにパウロは語ります。前回の最後に、パウロは、ダマスコに戻るまでの様子を簡単に書きました。16節後半から17節です。
 そして今日の箇所は、それから3年後です。18~20節です。何年も経ってから、パウロはケファ(ペトロですね)に会いに行きます。ケファの他には、ヤコブにしか会っていません。使徒言行録の描き方とは矛盾するかのようですが、20節のように述べますから、そうなのでしょう。この記述もパウロの、人からではなくて、イエス・キリストの啓示だという証言を裏付けています。
 最後、21~24節です。シリア、キリキア地方へ行く以前、アラビアに退いたときには、パウロはその後の伝道の準備、修行をしていた、という説が有力でした。そう読むことも勿論できますが、実はパウロはアラビアでも伝道をしていたという説もあります。なぜなら、パウロは改心の時に、「福音を異邦人に告げ知らせる」という召命を受けているからです。実際はどちらか分かりませんが、パウロが改心後(ダマスコでの出来事以降)異邦人伝道のために生涯をささげたことは確かです。
 そのようなパウロの伝道活動を聞いて、「キリストに結ばれているユダヤの諸教会の人々」は、神をほめたたえます。教会同士の交わりが大切なのは、また教会の中での交わりが大切なのは、一つにはお互いに励まし合うためです。そしてその一つの姿は、相手のことで神をほめたたえることです。迫害していた人物が、180度変わって、熱心な伝道者になることは、確かに神をほめたたえるに十分な事柄でしょう。
 今日からはじまる新しい一週間、私達も、自分の事柄だけではなくて、教会の仲間のうちで、また教会同士の交わりの中で、神をほめたたえる歩みをしましょう。