これまでの説教

日本基督教団幕張教会 早乙女哲自牧師

2022年12月25日「固執しないで」(フィリピの信徒への手紙2章1~13節)

 クリスマスおめでとうございます。
 今年の聖書箇所は、とても有名なフィリピの2章です。キリスト・イエスが、神と等しい者であることに固執しないで、かえって自分を無にして、人間と同じ者になられました(6・7節前半です)。このキリストの姿を模範として、私達も同じ思いとなりなさい、という勧めです。1~5節です。パウロは、フィリピの教会の人々(私達)への勧めの言葉として、キリストに倣うことを勧めます。キリストは神の身分に固執しないで、人間の姿で現れてくださいました。だからこそ、神はこのキリストを高くあげられました。7節後半~11節です。今はまだ明らかではありませんが、終末の時には、このキリストの事実が全ての人に明らかになります。だから10・11節のように、「イエス・キリストは主である」と、神をたたえます。
 このことが、次の勧めに繋がっています。フィリピの教会は、パウロを経済的に支援するなど、特別にパウロと親しい関係にありました。だからパウロは、遠慮なく勧めるべきことを勧めます。12・13節です。従順であること、救いの達成に努めることが勧められています。これは神が一方的に私達を救ってくださることを否定しているのではありません。クリスマスの今日、私達がお祝いしているように、神は一方的にキリスト・イエスをくださいました。しかし私達がこの世界の何ものにも固執しないで(キリストが神の身分に固執しなかったように)、それゆえただ私達の与えられた救いに固執するとき、私達の救いは確かに実現します。今日、クリスマスに、私達は私達のの救いを喜び祝い、それゆえに不平や理屈に支配されるのではなくて(14節です)、喜びに満たされましょう。