これまでの説教

日本基督教団幕張教会 早乙女哲自牧師

2017年7月2日「十二使徒を派遣する」(マルコによる福音書6章6後半~13節)

Download

 前回の聖書箇所では、主イエスは故郷の人々に拒絶され、(わずかの癒しを除いては)何も奇跡を行うことができませんでした。そこで主イエスはどうなさったでしょうか。6節後半。信じない人々に無理やり信仰をおしつけるのではなく、故郷を去ります。そして、付近の村に赴きます。そればかりではありません。十二人の弟子たちを二人一組にして遣わします。7節前半。「十二」という数字が大切です。イスラエルは十二部族でこれは完全数です。今日の箇所で、十二使徒でも十二人の弟子でもなく、ただ単に十二人としているのも、このことを強く意識したのでしょう。古い十二部族に対して、新しいイスラエルとして弟子たちを見ておられます。
 7節後半から11節までが、派遣するときに主イエスがなさったこと、命じられた言葉です。汚れた霊に対する権能を授け、最小限の持ち物だけが許されます。とどまるようにという命令も、人間的な欲望から目移りすることのないようにということでしょう。この派遣の目的は何でしょうか。最後の、12・13節。何よりも、「悔い改めさせる」ことです。しかしこの後の出来事の展開を見れば、誰よりもこの「悔い改め」が必要なのは、まず弟子たちです。まだ、主イエスが本当はどなたであり、どのように救いをもたらすかも分からない弟子たちが、しかし悔い改めを求めて宣教します。私達も同じです。伝道・宣教をしない方が、「私はまだまだ理解も行いも不足ですから…」と弁明することがあります。が、順序が逆で、まず主イエスに派遣されて宣教します。その中で、様々なことを(何よりも神にのみ依り頼んで生きることを)学びます。ここでも、弟子たちは主イエスがそうであるのと同じように、無理に押しつけるのではなく、聞かない者には足の裏の埃を落として去ることが主イエスから求められています。マタイ26章19.20節。さあ私達も自分の力ではなく主の力に依り頼んで、ここから遣わされていきましょう。