これまでの説教

日本基督教団幕張教会 早乙女哲自牧師

2018年8月12日「同じ戦いを」(フィリピ1章27~30節②)

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 今日は前回と同じ聖書箇所です。前回は「恵みとしての苦しみ」という視点でみてみました。今日は「同じ戦いを」です。今日の箇所から2章18(16)節までが一固まりですが、その核心にあるのが、「キリストの福音にふさわしい生活を送りなさい」という勧告です。その一つのポイントが(前回みた)恵みとしての苦しみです。いま一つパウロが大切にしているのは、「戦い」という視点です。パウロが聞くことを望んでいるフィリピの教会の人々の状況は、27節後半~28節前半。一つ目は前回みました。二つ目と三つ目をみましょう。三つ目は、(実際には弱さの中でたじろぐことの多いわたしたちであるかもしれませんが)、一つ目と二つ目ができていれば、当然そうです。今日は特に二つ目に注目しましょう。心を合わせて福音の信仰のために共に戦っているであろうか。前回の一つの霊(神の霊、キリストの霊)によってしっかり立つことは、私達人間の業ではなくて、神がそうして下さる事柄でした。そしてその流れで、私達が心を一つに合わせます。何のためかという目標・目的が、「福音の信仰のために」という一つだから、心を合わせることができます。勿論、様々な人間が集まっている「教会」ですから、細かいところで意見が様々であることは仕方ありません。仕方ないどころか、一人でも多くの方に福音を伝えるために、この違いは「多様性」として、私達は受け入れます。しかし「戦い」においては一つです。この戦いは、血肉に対するものではなくて、福音の前進を阻もうとする(福音自体に前進する力があるのですから無理なのですが)力との戦いです。まず第一に、自分の中の怠惰や利己心、恐れ、弱さなどとの戦いです。第二に、福音の前進を恐れて(福音が前進すれば、悪の力は力を失っていきますから)うごめく諸力との戦いです。
 最後に30節。フィリピの教会の信徒たちだけではなくて、私達もまたパウロや彼らと同じ戦いを戦っているはずです。この戦う生き方こそが、キリストの福音にふさわしい生活を形作っていきます。