これまでの説教

日本基督教団幕張教会 早乙女哲自牧師

2021年6月13日「人の子は来る」(マタイによる福音書24章15~31節)

 前回は、飢饉や戦争、地震などが起こるが、それは終末ではない。様々なことが起こった後で、終末が来る。最後に、「それから、終わりが来る(14節)」とありますように、まだ終りではなくて、「産みの苦しみの始まり」(8節)です。終わりよりも前の大切なこととして、全世界に福音が宣べ伝えられます。ここに希望があります。
 今日の聖書箇所は、更に終末が迫ってくる時のことが描かれています。最初の主題は、「逃げなさい」ということです。主イエス福音書の中で、迫害の予告もし、事実私達は迫害されてもなお信仰に踏みとどまることを覚悟しなければなりません。しかし同時に、逃げることが勧められています。15~22節です。しかも神は、私達選ばれた者たちが救われるように、期間を縮めて下さいます。
 そのときには偽メシアが現れまずが騙されないようにします(23~26節)。人の子、メシア、キリストは、単に「私がそうだ」と主張するのではなくて、再臨のときには、はっきり分かる仕方でおいでになるからです。27~31節です。稲妻とはげ鷹の例えは、誰からみても分かる、はっきりした仕方で、という意味です。ラッパがどういうものかなどと詮索してもあまり意味がないでしょう。科学的に捉えようとすると、混乱するだけです。そうではなくて、黙示文学的に描かれているのだと捉えるべきでしょう。そしてそのポイントは、キリスト者だけではなくて、すべての人に分かるような仕方で主イエスが来られる(すべての民族は…見る、30節)ことです。
 主イエスの十字架と復活から、既に二千年以上の歳月が経ちました。私達人間にとってはとても長い月日です。しかし神にとっては、一瞬と同じです(出エジプトの出来事を参照)。一人でも多くの人が滅びないで救われるように神は待ってくださっています。人の子が来るときを、楽しみに首を長くして待つと共に、今私達に託されている使命を果たしていきましょう。